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ラインホルト (Karl Leonhard Reinhold 1758-1823) v. 1.1 オーストリアのの哲学者。 カント哲学の普及につとめ、また批判者でもあった。イェナ Jena 大学の批判哲学講座の初代教授となり、イェナ をカント哲学研究の中核にした。 『ケンブリッジ哲学辞典 The Cambridge Dictionary of Philosophy』(1995年版)によれば、ラインホルトは: ・カントの哲学をより「学問的に」提示しようとした。つまり、厳密に演繹的な体系において、「意識の命題」 という最初のただ1つの原理から、すべてを導出しようとした。これが彼の「根元哲学 Elementarphilosophie」である。 ・カント哲学の二元性と、演繹にあたっての原則の欠如を批判したが、そのことが、先験哲学のより一貫した展開の必要性を喚起した。 ・その後、フィヒテの知識学に傾倒したが、やがてバルディリ Bardili の「合理的実在論」を支持し、最終的には哲学の諸問題への「言語学的」アプローチをとるにいたった。 (なお『ケンブリッジ哲学辞典』では、ラインホルトの生涯を 1743-1819 と記していますが、これはヤコービと取り違えています。) 『哲学事典』(平凡社、1979年)によれば、ラインホルトは: ・「意識においては、表象は表象するものおよび表象されるものから区別され、そして両者に関係せしめられる」という有名な「意識の命題」を出発点とし、ここからカントの学説の各部分をすべて導出しようとした。 ・この試みによって、彼の「根元哲学」をたてようとしたが、むしろ、カントがはじめから前提していた困難な問題の露呈化に貢献したといえる。 ◆ 著作には: ・Briefe über die Kantische Philosophie (1786/87) 『カント哲学についての手紙』 ・Versuch einer neuen Theorie des menschlichen Vorstellungsvermögens (1789) 『人間の表象能力についての新理論の試み』 ・Beiträge zur Berichtigung bisheriger Missverständnisse der Philosophen, I. Band. (1790) 『哲学者たちのこれまでの誤解を、訂正するための論集』 ・Über das Fundament des philosophischen Wissens (1791) 『哲学的知識の基礎について』 |
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