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ら 行
理屈をこねる räsonieren (räsonniren); 理屈 Räsonnement> v. 1.1.

使用例
 シェリングは、カント出現以前のドイツ哲学の低調さを、「たんに合理的な(bloß räsonnirende)哲学」が盛行していた時代と表現しています(注1)。ヘーゲルも räsonieren を、「理屈をこねる」という悪い意味でよく使っています。

意味
 räsonieren は、フランス語の raisonner(理性的に考える・語る)から派生しています。そこから、
a. 古義の「理性(理知)的に考える・話す」が生じます。
b. それは、結局「理路整然と考える・論じる」ことですが、
c. ともすれば堕落して、「小理屈をこねる」ことにもなります。
 そこで、räsonieren には、以上の a~c のいずれか、またはその近辺の言葉を訳語として当てればいいのですが、どれにするかは文脈次第で、なかなかに悩ましいものがあります。

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注1)シェリング『近世哲学史』、オリジナル版(SW版)全集では、I/10, 72.

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