必要な「医療過誤保険」
医療過誤によって苦しんでいる女性とその家族の記事が、朝日新聞にのっていました。以下は、その感想を同紙に投稿したものです。 貴紙の10月9日の記事「医療裁判5年 もう限界」(3面、大阪本社)を読んで、驚きました。医学界を権力的保身体質が、あいかわらず支配していることに対してもですが、なによりも、医療過誤保険が(医療保険ではなく)まだ日本では普及していないようなのです。 残念ですが交通事故と同じように、医療過誤はある確立で起きざるをえません。起きてそれを認めれば、最悪の場合、数億円の保証が必要となります。したがって、医療過誤保険は自動車損害賠償保険とどうよう、必須であることは明白です。すべての医療機関は強制保険に加入し、特に手術などを受けるような患者さんは、任意保険に加入することが望ましいといえましょう。海外旅行に出かけるときには、旅行保険に加入する人が多いと思われますが、全身麻酔で受ける手術と、アメリカ旅行を比べれば、前者の方がより危ないかもしれません。 むろん保険は、悲劇の金銭的側面を軽減するだけですが、保険なくして、医療過誤問題がどうにもならないのも確かでしょう。そこで問題は、何がこの種の保険の普及を妨げているかです。これを追求することこそが、ジャーナリズムの使命だと思われます。 (2000. 10. 13) ご意見、ご感想をお寄せください。 E-mail : takin@be.to |