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      ドイツ観念論のさまざまな解釈 v. 1.0

              (これからの充実を、期待してネ)

 残念ながら、ドイツ観念論を的確に解説・批評したものは、まれなようです。ここでは、管見にふれたものを、簡単にご紹介することにします。
 なお、著作名の横に付いている★印の数は、その著作が行っているドイツ観念論解釈に対しての、私の評価ということになります。
  ★★★ 最高です。
  ★★  時間があれば、読んでみて損はない、という感じです。
  ★    †


  <索 引>
● ヘーゲルについて
 ・ハイデッガー:『存在と時間』の時間論


ハイデッガー:『存在と時間』の§ 82 ★
 ヘーゲルの時間 Zeit 概念を論じています。けれども、ハイデッガーはヘーゲル哲学を理解していませんので、議論は完全に宙に浮いたままです。
 ハイデッガーは、ヘーゲル『エンチクロペディー』の「自然哲学」などを、引用しながら、<ヘーゲルの時間解釈は通俗的で、アリストテレスの時間論と大同小異である>と、批判します。しかし、ヘーゲルはそこでは、そのようなものとしての時間を取り上げていますので、これは不毛な議論です。
 むしろ、正しい(?)ヘーゲルの読者のあり方は、空間と時間という何の共通点もないように見える2つのものを主題にしながら(相対性理論などはおくとき)、一方の空間から他方の時間を導出してしまうヘーゲルの手並みの鮮やかさを、鑑賞することでしょう。(このような手品は、私見では哲学的な価値はゼロですから、この意味でヘーゲルを非難することは可能です)。
 ハイデッガーが、自らの時間論をヘーゲルと比べようというのであれば、ヘーゲルの<精神の各契機が展開するという事態>と、比較すべきだったと思います。そして、とくに現実の時間にこだわるのならば、歴史哲学の時代展開と比較すべきであり、自然哲学の時間ではなかったと思われます。
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