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アハメド・ラシッド氏のレポートについて

(2001.11.01)


9月11日以降のアフガニスタン問題の見取り図を知るには、氏の9月24日付けの

The Risks and Benefits of War in Afghanistan

が、最適だろうと思います。すばらしい分析と一級の政論が展開されており、そのあとの事態の進展は、このレポートをほぼ裏書しているといえます。その拙邦訳は、下記の題になっています。

「戦後アフガン」の秩序形成試案』

氏は、インターネット上のサイトEURASIANETと、著名な経済週刊誌Far Eastern Economic Review、ならびに日刊紙The Daily Telegraphの寄稿者になっており、9月11日以降も活発にレポートしています。

EURASIANETへの氏のレポートは、

http://www.eurasianet.org/departments/insight/articles/index.shtml

上にあります。

Far Eastern Economic Reviewへのものは、最新号が

http://www.feer.com/

で読めますが、古いものは図書館で雑誌を見るほかありません。

The Daily Telegraphへのものは、

http://www.dailytelegraph.co.uk/

にあり、検索で過去の記事を探して下さい。

ラシッド氏の文章の明晰さは、文学的センスとともに、ソビエト問題を扱ったドイッチャー氏を思わせるものがあります。ラシッド氏は、「母国パキスタンの少数民族の人権問題に取り組み、時の軍事政権から国外追放された」(『よみがえるシルクロード国家』講談社の著者略歴)と言われますが、ポーランド生まれのドイッチャー氏も、ソ連国外では最初の反スターリン活動を若いころ行い、党を除名されています。
 ドイッチャー氏は幼時、ユダヤ教の環境のなかで「神童」だったようですが、イスラム教徒のラシッド氏もまたそのようなタイプと思われます。軽快な文章には華があります。


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