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第3回 <藤原佐理(すけまさ。さり)の詩懐紙>

                      高松市の玉藻公園の陳列館) (v. 1.0, 初出:2016-3-14)

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 この懐紙(詩を正式に詠進(献上)するさいの用紙。広辞苑)に書かれた詩は、藤原佐理自作です。それを、抜群のテクニックで、軽快に書にしたものですが、26歳の若書きとはいえ、国宝になっています。







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 語句の意味ですが、
「花脣」は、花びら。
「紅桜(こうおう)」の「紅」は、うすい赤、桃色。なお、紅楼(こうろう)は、意味がまったく違ってきます。
「親しめり」は、愛情を寄せる。
「芳菲」は、草花のよいにおい。
「流鶯」は、なめらかにさえずるウグイス。

 そこでこの漢詩の意味は:
桜の花びらは言葉で語ることはないが、心のうちで慕う。川をはさんだ、2本の桜のピンクの花びらは、明るく輝いて、声をたてずに情愛を寄せあっている。両岸の草花がはなつ良いにおいは、川面(かわも)をただよい、ウグイスの美しいさえずりが一日中、春のなごりを告げている。

 前文の、
「同賦」は、「詩歌会の席上で同じ題でよんだものである」
「和漢任意」は、読む詩は、和歌でも漢詩でもよかったという意味でしょう。
「右近権少将」は、右近衛府(うこんえふ)の権(ごんの)少将に在任しているということです。「權」は準という意味で、少将は次官です。



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